日産カップ2018~両膝手術を経て2年ぶりにトライアスロン復帰

膝のリハビリが進んで、数日空ければ10km程度コンスタントに走れるようになってきた。膝の痛みが出てまだ早かった気もするが、3月に板橋Cityマラソンも完走できた。今年はいよいよトライアスロンに復帰してみようと思い、選んだのは初参加の日産カップ。

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渡良瀬と迷って日産にエントリー

復帰後の第一線はスプリントの距離でもよかったが、普段の練習で10km走れるところをみると、スタンダードディスタンスでも行けそうな気がした。日帰りで行ける近場のレースを探してみたところ、群馬の渡良瀬大会と、横須賀の日産カップが候補に挙がった。

内陸の遊水地で泳ぐか、東京湾で泳ぐか…スイムコースとしてはどちらもパッとしない。以前出た伊豆大島や銚子、館山もオリンピック距離だが、いずれもフェリーやレンタカーを借りて宿泊する必要が出てくる。

電車の乗り換えを調べると、わずかに日産カップの方が近かったのでそちらに決定した。料金的には、どちらもJTU登録が必要で、エントリー1.8~1.9万円と同じくらいだ。日産カップは特に倍率も高くないようで、エントリー開始から数日後でも登録できた。

都心から輪行・日帰りで行ける

横浜から京急線に乗り換え、追浜(おっぱま)という駅で降りる。日帰りとはいえ、自宅から会場まで電車で片道2時間かかるので、5時頃に起きる必要があった。軽く朝食は取ったが、一般の部は 11:30スタートなので、レースまでに早めに昼食を取っておきたいくらいだ。前日夜にスーパーの売れ残り割り引き菓子パンを大量に買い込んでおいた。

乗換で都心は避けたが、横浜駅での乗り換えは、やはり輪行バッグが邪魔になる。レースの帰り、日曜夕方は横浜線の下りが大混雑だったので、まわりに迷惑をかけてしまった。バイク以外にウェットスーツやシューズなど荷物も多いので、できればトライアスロンのレース会場には車で向かいたいところだ。

事前案内によると、追浜駅から会場の日産追浜工場までは徒歩25分。駅前でバイクを組み立てて向かえば一瞬だった。

今回は距離も短いので、ボトルケージはダウンチューブに着けたままにした。サドルの後ろに付けた方が空気抵抗は格段に少ないはずだが、いちいち押し入れからパーツを出して装着するのが面倒だった。とはいえパンクが怖いので、修理キットと携帯ポンプは装着してある。

工場のゲートでは特にIDや参加証を見せる必要はなく、問診票に記入して受付でゼッケンとスイムキャップをもらった。アンクルバンドはスイム直前に配る方式らしい。敷地内には、テストか出荷待ちなのかナンバープレートのない日産車が大量にとめてある。リーフだけでも50台くらい見かけた。

6月のレースは日焼けする

9時に開会式が始まったが、そこからスプリントと小中学生、選手権が先にスタートして、一般の部は11:30からゼッケン番号ごとにウェーブスタート。2時間半も暇があるので、バイクをセットしたら埠頭の空き地で雑魚寝して仮眠を取った。会場のアナウンスが騒々しくてなかなか休めないが、ふと気づくと腕がヒリヒリしてきた。

夏至に近い今は紫外線が最大強度。夏場にレースに出たら日焼けするというのをすっかり忘れていた。日焼け止めは置いてきてしまい、転記も曇りで短い距離なので大丈夫かと油断した。次第に晴れ間が広がって、バイクに乗る頃には炎天下。気温は低いが、終わってみると肩から首まで真っ赤に日焼けしてしまった。

東京湾で泳ぐということ

普段は入れない日産追浜工場。2年前に出た、厚木基地のレースと雰囲気が似ている。場所は横須賀で、バイクコースの対岸には八景島シーパラダイスが見える。

東京ガスのプラントを見ながら、リサイクルブラザ<アイクル>というゴミ処理場の脇で泳ぐというインダストリアルなスイムコースだ。大阪のフンデルトワッサーほどではないが、この処理場はイタリア風かイスラム風なのか、不思議なデザインをしている。

ヨットや釣り船も出ていてのどかな雰囲気だが、懸念された東京湾の水質は思ったほど悪くなかった。山下公園から見下ろす横浜港のように、ゴミや枝がたくさん浮いているかと思ったが、目立つ浮遊物はない。

見た目はブルーでもレッドでもないグリーンオーシャン。ピロリ菌とかレジオネラ菌がうようよいそうなので、なるべく海水は飲まないように気をつけた。東京湾の水は口に含むとしょっぱいが、舌がピリピリするとか異臭がするということはない。

そろそろ寿命のウェットスーツ

ORCAの格安ウェットスーツKAISEIは、もうまわりで着ている人を一人も見なかった。2年ぶりに出してみたが、縫い目や腹部が破れてきているので、そろそろ寿命かもしれない。

と思ったら、首元が大胆に裂けた古いウェットスーツを着ている人もいた。見た目を気にしなければ、年に数回レースのときしか出番がないスーツ、ビリビリにちぎれるまで使い倒そう。

浮遊ステージ越しに入水

砂浜がない港湾なので、クレーン車で吊った状態の浮遊デッキから海に出入りするかたちになる。今年はL字に配置されたブイを2周回するコース。スイムが終わってデッキに上がる際、はしごが2つしかないので混んでくると順番待ちになる。

水中でブイやボードにつかまりながら、合図が鳴るとぱらぱら泳ぎ始める。全体で300名くらいが、時間をずらしながらスタートするので、スタート時のバトルはそれほど熾烈でもなかった。

視界は1m程度でかろうじて前の人の足が見えるくらい。スイムが混みあってくると、横から突然ぬっと人が出てくる。頻繁にヘッドアップしないと、自分がどこに向かっているのかわからない。むしろ前方確認を頻繁に行ったおかげで、いつもよりまっすぐコース通り泳げた気がする。

スイムは無難にクリア

トライアスロンのスイムは基本、やる気がしない。宮古島ならウミガメや魚が泳いでいて水中観察を楽しめるが、タイムを競ってがんばるより、ほどほどに泳いで体力温存した方が有利だと思っている。

もちろんスプリントやショートのレースなら、スイムパートから飛ばさないと順位を伸ばせないかもしれない。今日はけがから復帰の腕試しと考えているので、いつも通り後ろの方からぼちぼちスタートした。

なるべく心拍数を上げないよう、ほとんどバタ足はしない。後ろの人を蹴らないようにという配慮もある。ウェットスーツなら体が勝手に浮くので、適当に腕を回すだけでも前に進む。むしろ、普段のプールでのスイム練習とオープンウォーターでは勝手が違いすぎて、フォームとか呼吸とか練習しても意味ない気がする。

事前のアナウンスでは波の高さ30cmということで、岸に戻る際に多少うねりがあった。スイムに関しては特に膝に支障がなかったので、いつも通りのペースで1.5km泳ぎ切れたと思う。

バイクコースは日産の試験場

今日のレースのお楽しみは、GRANDRIVEという日産のテストコースをバイクで走れるという点だ。1周6.6kmを6周回で40km。実際はいったんコースを外れてメイン会場まで戻るルートなので、サーキットを走れるのは実質その半分、20kmくらいだろうか。

しかもコースに出入りする際に、ちょっとした陸橋を超える必要があり、合計12回きつい坂を上らされる。コースに入る側は、坂を下ったところに90度カーブがあるので加速できない。みな減速して渋滞気味になるので、上りの坂は無理して抜いても意味がない。

坂の下りの90度カーブには、ゲートの支柱に仰々しく布団が巻いてある。今まで何人もクラッシュして血を吸ってきた布団なのだろう。さすがに協議説明でも注意喚起されていたので、見たところは激突している人はいなかった。

レース後に忘れ物に気づいて会場に取りに戻ったら、布団も役目を終えて撤収されていた。部分的に血痕のような染みが見えるのは気のせいだろうか。

サーキットは始終エアロバーで走れる

追浜試験場のテストコース。路面は富士スピードウェイやツインリンクもてぎほど、すべすべのサーキットではない。普通のアスファルトで、コーナーのイン側に砂利が浮いているところもある。

全体的にカーブは緩やかで、コースを出入りする際のヘアピンカーブ以外は、100%エアロバーを握ったまま走行できる。多少の起伏はあるが、陸橋の坂ほどではない。久々にエンデューロの雰囲気を味わえるが、ドラフティングは禁止なので、集団の先頭交代するようなコミュニケーションは生じない。

ようやくこのハンドルについている触角が飾りでないことを証明するときがきた。ショートリーチなので劇的な空力効果はないが、追い風で40km/hを超えてエアロポジションを構えるとぐいぐい加速できる。

周回コースなので当然向かい風もあり30km/hくらいまで落ちるが、サーキット内では平均時速35kmで巡行できたと思う。先日のスポーク破断後に、ニップルを真鍮製に全交換した後輪も快調だ。NOVATECのジェッ太くんホイールが日産サーキットで吠える。

バイクパートは5人くらいに抜かれたが、装備やスピードからしてアマチュアトップレベル選手だろう。ショートディスタンスなので、自分も温存を考えず最初からがんがん踏んでみた。

このところ仕事が忙しいのとホイールの修理で、GW以降まともにロードバイクに乗れていなかった。さすがにポジションに慣れなくて中盤から背中が痛くなったが、ひたすらジムで筋トレしていた足の方は、最後まで持った感じだ。

バンクに挑むが跳ね返された

実はこのテストコースに、一つだけ40度の傾斜がついたバンクがある。まるで競輪のようでおもしろいのだが、そこを走ろうとすると遠回りになってしまうので、誰も近寄る人はいなかった。Google Earthで見ると、ちゃんとバンクまで立体的に表現されている。

「バンクを走ってはいけない」というルールもなかったので、ためしに最後の6周目で突っ込んでみた。事前に加速して38km/hくらいはスピードが出ていたと思うが、傾斜の半分まで上る前に、どうも体と路面が垂直にならず気持ち悪い(危ない)気がしたのであきらめて下りた。

重心やフォームの問題なのか、スピードが足りないのか原因はわからない。斜面にタイヤの側面を当てて不安定に走っている感じだったので、バンクを走るのは練習が必要なのだろう。

フラットペダルでトランジション5秒

最後のランは、ミドルやロングに比べるとバイクの時間が短いからか、いつもよりトランジション後の疲労を感じなかった。新調したブルックスのシューズがクッションが効いて快適だからかもしれない。フラットペダルに交換して、ランニングシューズのままバイクに乗ったおかげで、着替えの時間は5秒で済んだ。

工場の敷地をジグザグに走って3周回。折り返しごとに輪ゴムをもらって、5個集めるとゴールできるという仕組みだ。起伏はないが、木陰もない。途中からさんさんと日が照ってきて、夏至前の紫外線地獄になった。

エイドが1か所、水しかない

ここに来て気づいたのは、日産カップではコース内にほとんどエイドステーションがない。ショートの距離なので補給も必要ないかもしれないが、バイクコースに一切水の補給もなかったのは驚いた。ここ数年、離島のロングレースばかり出ていたので、手厚いエイドのサポートに慣れてしまっていたようだ。

距離が短いとなめていたのか、バイクに栄養ジェル1個しか搭載してなかった。もうワンショット、ジェルを入れればランのモチベーションも上がっただろう。唯一ランコースの途中に水だけのエイドがある。テント脇の建物のトイレを利用できるのも助かった。ランは特にタイムを意識していないので、時計も付けず、ゆっくり用を足してから再スタートした。

ラン10kmなら普段練習で走っている距離だ。バイクで飛ばし過ぎたのか、懸案の左膝に水が溜まって、血豆ができたようにじゅぶじゅぶいっている感触がある。それでも痛くて走れないというほどではない。レース中はきっと脳内物質が出て、痛みも緩和されているはずなので、ベストは尽してみようと思い3周目はペースを上げた。

当日夜の時点では、まだ公式サイトにリザルトが出ていない。ゴールした時の総合タイムは2時間45分くらいだったと思う。練習不足のランはさすがに抜かれまくり、バイクの貯金も使い切った感じだ。タイムはともかく、2年ぶりのレースで完走できたのはよかった。

レース直後に氷を借りてアイシング

ゴール後に救護所で氷を分けてもらい、すでに腫れてきていた左膝を10分ほどアイシングした。帰りの電車でも痛みが出たが、直後に冷やしたおかげでだいぶましだったと思う。階段の下りと、椅子に座っている際に左膝の内側がピリピリ痛むので、縫合した半月板の再剥離とかでないか心配だ。

家に帰ってからもどんどん冷やしたので、今のところ3月のフルマラソン後ほどには痛みが出ていない。普段の練習後も、できればアイシングを心がけた方が、ダメージが少なく回復も早い気がする。

名物?おっぱまカレー

レース後にゼッケンに同封されたランチカードで、追浜カレーをもらえた。ちょっと辛くて具もたくさん入った、食べごたえがあるカレーだ。特に期待はしていなかったが、なかなかおいしかった。

レース粗品のTシャツは黒地に白文字でNISSAN CUP。表も裏も袖口も、どこから見ても日産関係者にしか見えない。最近、アスロニアのトークイベントでもらったデイブ・スコットのTシャツも黒だった。個人的には夜走る機会が多いので、視認性を考えた白とか黄色のTシャツだとうれしい。

日産カップは東京湾で泳ぐ以外、特にくせがなく快適なサーキットを周回走行できるレースだった。東京~神奈川に住んでいる人なら、毎年出場して体力測定に使ってもよさそうに思われた。

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