武蔵五日市駅から金比羅尾根~麻生山~日の出山ピストンハイキング

月曜の通院後、おそらくリハビリの筋力測定が原因で腫れてしまった左膝。しばらく休んでいたら痛みも収まってきたので、新しく購入したニューバランスのトレランシューズを試しに奥多摩の山を登ってみた。

今日は武蔵五日市駅から金比羅尾根経由で麻生山、日の出山まで来て折り返すコース。ハセツネ終盤のなだらかな下りで、距離は長いが足の負担は少ない。昨年からのリハビリ中、高尾山、御岳山、湯河原の低山は登ったが、本格的に未舗装の山道を歩くのは1年半ぶりだ。

トレラン練習向けの金比羅尾根

金比羅尾根は駅からのアクセスもよく、奥多摩の表丹沢といえそうなコースだ。ところが、道は整備されていて起伏も少ないにも関わらず、いまいちハイカーの人気がない。尾根沿いなのに、うっそうと杉の木が茂って眺望を楽しめないからだろうか。その分、夏場は木陰が多くて涼しいともいえるのだが。

すれ違う人々は、ハセツネ練習のトレイルランナーか、ソロで来ている年季が入った登山者や猟師さんくらい。週末に軽くハイキングするなら、高尾山や御岳山の方が見どころがたくさんあっておもしろい。もっと本気で登山する人は、奥多摩でも三頭山や雲取山など標高の高い山を攻めるだろう。

金比羅尾根は、あきる野市民の地味なトレーニングコースという感じだ。秦野の弘法山とか、どこの街にも散歩やハイキングに適した裏山がある。休日でも空いている分、走りやすいのでトレランの練習にはもってこいともいえる。金比羅山と日の出山付近の急勾配を除けば、上りも下りもゆるくて片道1時間くらい走り続けられる理想的なコースだ。

今日は膝の様子を見ながらなので、トレランシューズは履いてきたが走る予定はない。リハビリ中は「舗装路のみ」という制約があったので、本格的なオフロードを歩くのは久々。もし膝に痛みが出たら途中で引き返すつもりだったが、トータル5時間くらいで計画通り日の出山まで往復できた。

武蔵五日市駅直結、穴場のパン屋

拝島駅から武蔵五日市駅まで、電車なら片道220円、20分くらいで到着する。JR五日市線の本数は少ないが、朝は15分に1本くらい出ている。昼頃はだいたい30分に1本というペースなので、直前で乗り過ごすと結構待つことになる。

今回はウォーミングアップも兼ねて、登山口まで自転車で向かってみた。ロードバイクで億たまに向かう際はいつも走っている道なので、わざわざ電車に乗る気がしない。RFX-8はホイール修理中のため、シングルスピードのスペアバイクを出してきた。武蔵五日市駅まで起伏があるのは圏央道をまたぐところくらい。ギアはなくても問題ない。

駅に着いたら、高架下に併設のパン屋さん、神戸屋で軽く食事して山中の補給食もそろえた。このお店はSuicaが使えるので、小銭が増えずに助かる。コンビニの菓子パンより少し高いが、手作りでおいしい気がする。奥多摩登山前には、よく立ち寄るスポットだ。

神戸屋の2階にはイートインできるスペースがある。これほど駅に近いのに、休日でも人がいない。バスの待ち時間とか集合場所に使える穴場だ。登山やツーリング後に、パンとカフェオレで健康的に打ち上げするのもいい。

金比羅尾根で歩行禅

ハセツネの会場だったなつかしい五日市会館の横を過ぎて、住宅街の坂を少し上ると金比羅山への登山道が見えてくる。この尾根では、ここから金比羅山までと、日の出山直前の500mくらいが一番勾配がきつい。

最初に汗をかきながら上るジグザグの坂が、帰りはつんのめるような下り坂になって足にくる。ハセツネ最後の泣き所といえるが、ここまで来たらもうゴールは目前なので、うれしくて気にならないだろう。

途中でまき道や、公園や神社を通るルートに分岐するが、いずれも日の出山方向の尾根道に収れんする。山頂の公園にはこの尾根唯一のトイレもあるので、寄っておいてもいいだろう。金比羅山の標高は468メートルあり、すでに序盤で日の出山まで半分の標高を稼いだことになる。

そこから先は、たまに杉の木が伐採された斜面で東側の眺望が開ける以外は、ずっと林の中を歩くことになる。たまに尾根から左右に下りるわき道が出てくるが、まだ開拓したことはない。

ほとんど起伏もないので、ときどきすれ違う登山客にあいさつする以外は、心を無にして歩き続けられる。坐禅の代わりに歩きながら瞑想する歩行禅というスタイルもあるが、金比羅尾根の体験はそれに近い。歩きながら、ふと気がついて時計を見ると1時間も経過していた。

ハセツネ終盤の危険な岩

金比羅尾根の途中に、一か所だけ登山道に岩がせり出した危険な個所がある。明るいうちは何ともないのだが、日の出山方面から降りてくる方向だと、下り坂の曲がり角にあってぶつかりやすい。

前回のハセツネで、自分の前を走っていたスキンヘッドのお兄さんが、この岩の前で前のめりに転んで危うく額をぶつけそうになった。何度思い出してもひやっとするが、あらためて日中に現場を見てみると状況がわかった。

岩の前は泥が溜まっていて、雨が降るとぬかるみそうだ。レース終盤、平均的なペースでここまできたら0時を過ぎているだろうから、疲労と眠気でもうろうとした頭に、ゆるい下りでスピードも乗ってくる。ヘッドライトで突然照らされたこの岩に、毎年何人か激突していてもおかしくない。

ハセツネ道標65km地点

その先に見えるのは「日本山岳耐久レース65km地点」の標識。すでにここまで、フルマラソンの1.5倍くらい走ってきていることになる。

ときどき現れるこのハセツネ距離標や長尾茶屋の前の記念碑、トレラン以外の人には「何のことやら」という感じだろう。自分もたまたま御岳山ハイキング中に標識を見て、レースを知った口だ。まさかその後トレランをはじめて、出走するとは思わなかった。

麻生山で失言

ハセツネコースに麻生山が含まれていたかどうかは記憶が定かでない。レース前に購入した公認マップのコース断面図には含まれていて、何となく夜中に山頂のベンチから夜景を見た気もする。

時間に余裕があったので、迂回せず麻生山にも登ってみた。南側からのアプローチは案内板がないが、いかにも山頂に続いていそうな急坂が右手に見える。標識を見ると、マジックで「麻生山へ」と書かれていた。どうも不安だが、方向は間違ってなさそうだ。

山頂まで一気に続きそうな急坂に辟易して、右手の斜面に見えたまき道らしきルートに進んでみた。わりとしっかりした踏み跡があり、その先まで進んだところで、なぜか立派な道標が出現する。

指示された方向に折り返すと、またもやきつい坂。途中で誰かのいたずらか宗教活動か、意味不明な写真や、愚弄するような文言が木にかけられている。本当に麻生山に向かっているのか、「はめられた可能性がある」と思いつつも、無事山頂に辿り着いた。失言は撤回しておこう。

標高794メートルの麻生山山頂は、ひっそりしていてくつろげる。いつも混雑している日の出山と眺めはほぼ同じなので、こちらの方が穴場かもしれない。途中の道が藪っぽくてハードルが高かったが、なるほど『山と高原地図』でも麻生山の南の道は「難路」の点線になっていた。

そのまま日の出山方向に下る道は快適で、分岐にしっかりした道標もあった。麻生山に登るなら、北側から290m歩いてそのまま戻ってくる方が安全だ。

日の出山山頂に到着

再びうっそうとした森の中を無心で歩くと、ほどなく日の出山前の目抜き通りといえる交差点に辿り着く。上から降りてくる軽装の登山客は、たいていケーブルカー経由で御岳山から来た人たちで、このままつるつる温泉に下ってバスで帰るのが定番らしい。神社を拝んで日の出山で景色を見て温泉につかって帰る、なかなかうらやましいコースだ。

日の出山山頂まで最後の急坂を登る。昔はぬかるんで歩きにくかった道も、びっしりと階段が整備されてずっと快適になった。歩きやすいが坂は急なのでびっしり汗をかくが、山頂まで最後のひと踏ん張りというところだ。

5月の土曜、快晴の昼下がり、山頂は予想通りいろんな登山客でにぎわっていた。スニーカーにジーパンの家族連れから、本格トレイルランナーまで。夕暮れには時間も早いので、のんびり料理したり昼寝している人もいる。

今日の眺めはガスの向こうにうっすら新宿の高層ビルが見えるくらいだ。冬場だと、日の出山からスカイツリーもよく見えた記憶がある。狭山緑地の中に西武ドームが光り輝いていて、まわりの人もたいてい「あれはなんだ?」という話になる。

狭山湖~多摩湖をサイクリングして脇を通ったことはあるが、中に入った経験はない。今はネーミングライツを買われてメットライフドームというらしい。いまいちしっくりこない。

林の中はすぐ暗くなる

行きは2時間半くらいかかったが、帰りの下りは膝をいたわりながらスローペースで進んだ。麻生山はスキップしても、結局上りと同じくらい時間がかかった。16時になると外は明るいが、林の中はだいぶ暗くなってきて、意識もぼんやり眠くなる。

夕方になるとますます金比羅尾根で人に会う機会が減るので、思う存分、山中で歩行禅できる。ときどき後ろからトレイルランナーが走ってきてびっくりするくらいだ。山道を走るときは、熊除けというより人除けも兼ねて鈴を鳴らしたほうが親切だろう。

ニューバランスのMT620は快適

アマゾンで安く買えたニューバランスのトレランシューズは、ぬかるんだ斜面でもしっかりグリップしてくれた。水たまりはなかったのでゴアテックスの真価をはかれなかったが、特に蒸れたりする違和感は覚えなかった。

今は通常価格に戻ったのか高くなってしまったが、GORE-TEX入りのトレランシューズが1万円以下で買えたのはラッキーだった。

旧モデルだが、色がブラック基調なので雨の日の街履きにも重宝する。たまたまほかの人が電車で履いているのを見たが、まったく違和感なかった。登山・トレランから雨靴まで、いろいろ兼用したいミニマリストにはおすすめのシューズだ。

左膝の具合が心配

膝の具合は何とも言えない。登山中、両膝とも可動域の制限や不安定感はあったが、右膝は2月の湯河原ハイキングより右膝はだいぶ改善されてきた。左膝もなんとか持ちこたえたが、帰ってみるとやはり水がたまって腫れているようだ。痛みはそれほどないが、ほとんど曲げられない。

走るのは当面無理そうだが、長距離を歩いたり山を登るのも控えた方がいいのかもしれない。リハビリ自主トレの成果で筋力は徐々に戻ってきたが、1年半前、ハセツネ練習で山を走り回っていた頃に比べると、パフォーマンスはまだ60%くらいだ。

ゆるんだままの内側靭帯や、前十字に移植してしまったハムの腱が100%回復することはないだろう。縫合した半月板も、どの程度持つのか不安に感じる。少なくとも、転げながら滑り落ちるようなトレランレースの下りで勝負はできないと思う。

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