湯河原の梅園経由で幕山登山、温泉街の手頃なハイキングコース

膝の治療も兼ねて湯河原に旅行に行ってきた。椿ラインのヒルクライムや18きっぷの旅で途中下車したことはあるが、湯河原に泊まるのは初めてだ。温泉街は駅や海から離れた山間にあり、隣の熱海より落ち着いた地味な観光地といえる。

現地の観光スポットを調べてみると、熱海と同じく湯河原にも梅園があるらしい。2月中旬で満開にはまだ早いが、熱海と比べてみようと思って駅前からバスで向かってみた。

市街地から坂を上った先の幕山公園~梅園を経由して、幕山という山につながるハイキングコースもあるようだ。梅園を一回りしたついでに、山頂まで登ってみた。

梅林から幕山へは2コース

幕山のハイキングコースについては、湯河原温泉観光協会のウェブサイトが詳しい。ほかにも南郷山や城山など、付近の登山コースが地図と詳しい解説付きで紹介されている。


梅園からは東の直通コースと、西の大石ヶ原を経由するやや遠回りなコースの2種類あり、今回選んだのは前者の東回りコース。

久々の山道

膝の稼働領域に制限があったので、しばらく山道を歩くのは控えていた。階段なら上り下りできるが、高低差のある斜面を大股で超えるのが厳しい。特に降りる時に上に残した足が曲がらないと、階段の松葉杖で間違って杖より先に足を下ろしてしまったような状態になる。不整地で膝をひねるのも怖いので、最近は高尾山や御岳山の舗装路を少し歩くくらいだった。

まだ両足ともかかとがお尻に付かず正座できない状態だが、幕山はなんとか登れた。道も整備されていてなだらかだったので、膝の負担は少なかった。今は500~600mくらいの低山を軽く散歩するくらいが、体力的にもちょうどいい。

野趣に富んだ湯河原梅林

湯河原駅から梅園までは約4kmの距離。駅から温泉街まで3~4km歩いて往復したこともあるので、徒歩で向かえない距離ではない。今回はたまたま梅林で「梅の宴」というイベントをやっていたせいか、駅前からすぐバスが出たので乗らせてもらった。料金は片道260円でSuica/PASMOが利用可能。

梅はまだ三分咲き。平日ということもあって梅園の観光客はまばらだった。熱海~湯河原は海沿いなので東京より平均気温が高いが、今日は風も強くて少し肌寒い。熱海梅園のように道が舗装されておらず、斜面に梅がまばらに植えてあった。

林の中を遊歩道がランダムにつながっている感じで、順路もなく野生の梅林に迷い込んだ気分になれる。案内板もないので見どころがわからないが、全部見てまわると30分くらいかかる広さはあった。

入口でもらった売店のパンフレットに、唯一手がかりになりそうな地図が載っている。東側の「早咲き梅150本」なら咲いているかと思ったが、開花状況はそれほどでもなかった。

西の東屋を超えた先にも踏み跡があり、そのまま上に登ったら大岩の下あたりまでたどり着けた。さすがにここまで来ると、まわりは誰もいない。眼下に広がる梅林の絶景を独り占めできる。

探検気分で梅の林を散策できるのが湯河原梅林の醍醐味だ。途中でハイキングコースから降りて来たのか、本格的な登山装備のグループとすれ違うこともあった。人が降りてくる方向、梅林入口から右上の方を目指して登っていくと、幕山への登山道が現れた。

幕岩でクライミングもできる

ハイキングコースに入ってもしばらく梅園は続く。藪の中から人の声が聞こえると思ったら、岩肌でクライミングをしている人たちがいた。子どもを含む家族連れのグループもいる。

後で調べたら、このあたりは「幕岩」と呼ばれるクライミングのスポットらしい。確かに梅園の上の方に岩肌が見える。平日の夕方、クライマーは全部で10人以上いて、梅園の観光客より多かった。岩肌に取りついているときは見えないかもしれないが、梅が満開の時期なら、さぞかし気分もいいだろう。

梅林最高地点を抜けて登山道へ

延々と続く坂を上ると、「梅林最高地点」という案内板と、低い石のベンチがあった。ここまで来るのは一苦労だが眺めはいいので、梅林観光に来たらぜひ上ってみるといいだろう。

そこから先は幕山山頂に続くハイキングコースになる。逆に山から下りてくる場合、「梅の宴」開催中は入園料200円を取られるので注意が必要だ。といっても看板があるだけで、ゲートも料金箱もない。バス停のある幕山公園の入口から帰る場合は、受付で払えばいいと思う。

そこから先も、梅林と同じような砂利道をジグザグに登っていく。ところどころ傾斜がきつくて滑るので、普通のスニーカーよりはグリップの効くシューズの方がいいだろう。丹沢の大山のように岩がごろごろ転がっているわけではないので、ランニングシューズでも十分だ。

今回はたまたま梅林観光のついでに寄っただけなので、トレイル用でないアンダーアーマーのランニングシューズを履いてきた。ジムでのトレーニング用途も兼ねているのか、ソールの凹凸が少ないので結構滑った。

ハイキングコースの序盤に、屋根付きのしっかりした休憩小屋がある。テーブルも備えてあり、バーナーで調理している先客がいた。梅林は望めないが、ここで一休みしてもよいだろう。小屋の標高は300mもないので、まだ先は長い。

山腹から湯河原方面の眺め

単調な登山道を上り続けると、ところどころ樹木が途切れて海側の景観が見られるようになる。湯河原市外と真鶴半島、新幹線の高架もよく見える。海の向こうには初島と、うっすら大島も拝めた。

山頂付近で周回コースと合流する。ここから「近道」というルートを進むと、すぐに頂上に辿り着く。最後は勾配がきついというようなこともない。

山頂周回コース

海抜625mの幕山山頂は、芝生の広場になっていて各方面に眺望が開けている。ただ湯河原方面は林が視界をさえぎっているので、登山道中腹からの方がよく見えた。

そこから南郷山に回って下山するルートもあるが、夕方で日が暮れそうだったので元来た道を帰ることにした。とりあえず記念に、距離800mの山頂周回コースだけ一周してみた。幕山の西側に回り込むと、大観山のレーダードームが見える。城山を南側から回り込んで椿ラインを上れば、あのあたりまで自転車で行けるはずだ。

五郎神社経由で温泉街へ

梅園に戻ると17時を過ぎていて、空は明るいが受付は閉まっていた。入口に門はなく、近所の人が犬の散歩に出入りしている。熱海と同様に、梅園も花見の季節以外は無料の公園として開放されているようだ。入園料200円は、その後、宿でチケットを見せたら返金してもらえた。温泉の宿泊客は無料とのことだ。

幕山を振り返ってみると、結構急な勾配に見える。2月だが登っている最中は上着を脱いで半袖でもいけるくらい汗をかいた。西側の大石ヶ原ルートの方が、距離は長いがゆっくり登れるだろう。

帰りはバスのルートより北側の、新崎川の左岸を歩いて駅まで戻ってみた。途中にハイキングコースの案内板に距離表示されていた「五郎神社」があるのを確認できた。そのまま駅を超えて温泉街まで3kmほど歩いて、本日のハイキングは終了。

The Ryokan Tokyo

今回泊まったのは湯河原に最近できたThe Ryokan Tokyo。やや標高の高いところにあり場所がわかりにくいが、温泉付き3千円台で泊まれるドミトリーの格安プランがある。外国人観光客を意識した奇抜なデザインは見ものだ。

Fitbitの歩数計で35,000歩は超えていたので、ケガしてからこの1年で一番歩いた日になった。幕山は道も整備されていて傾斜もそれなり。ちょっとしたランニングシューズ程度で登れるので、温泉に入る前にひと汗かくにはちょうどいい目標だ。湯河原は熱海と違って温泉以外にそれほど観光できるところがない。2~3月なら梅林を見て幕山に登るのがベストといえる。自転車で箱根まで上れる椿ラインもあり、海より山のレジャーの方が充実しているといえる。

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