やまめの学校MTB体験記。ロードより格段にテクニカルで驚きの連続

前回の秩父、黒山三滝登山のおり、元MTBプロ選手、堂城賢(たかぎまさる)が主催する「やまめの学校」という自転車スクールの話を聞いた。KさんMさんがともにロードの部で参加されて、めきめき実力を上げたらしい。

堂城さんが書いている書籍『自転車の教科書』を読んで、なるほど理論的でわかりやすいと思ったのだが、お二人が今度はMTBの部で年明けに入校されると聞いたので、せっかくの機会と思い自分も岐阜から参加してみた。

マウンテンバイクは持っていないので、メリダの29erを現地でレンタル。正月明けの連休、18きっぷの鈍行でのんびり安曇野のユースホステルに泊まり、翌日講習を受けて岐阜まで鈍行で帰宅。一泊二日の濃密な体験だった。

前泊なら安曇野ユースがおすすめ

当日は朝9時集合なので長野に前泊した。スクールの少し南に安曇野パストラルユースホステルがあり、大糸線の穂高駅から40分くらいで歩いて行ける距離にある。やまめの学校へは有明駅が最寄りだ。

ユースに到着したのは日も暮れた後だったが、1月から冬期休暇に入る直前ということでお客さんも少ないのか、同宿のKさん2人で貸し切りの状態だった。宮古島トライアスロンのユース宿泊用につくった会員カードがまだ期限内だったので、宿泊料の割り引きも効いた。

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山小屋風のつくりで畳を敷いた二段ベッドがあり、なかなか雰囲気がよい宿だ。さすがに長野は岐阜より寒く、明日はいよいよ雪が降って積もりそうという天気だった。

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朝食は洋風でロールパンをたくさん出してもらえたので助かった。リンゴジュースは地元産の100%か、すごくおいしい。

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昨晩、中央線・中津川駅での乗り換え中、「からすみ」という名のういろう風なお土産があり、補給食に使えないかと思ってためしに買ってみた。しかし、あまりに気温が低いのかカロリーメイトのようにぼそぼそした歯ごたえでいまいちだった。米粉ベースなので羊羹より飽きずに食べられると思うのだが。

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ご親切にも宿のご主人に車で学校まで送ってもらえた。最新の所在地はウェブサイト上に出ている「やまめ工房」の場所から、路地を北に入った穂高荘の南の通りに面した小屋に変わっていたようだ。

小屋での座学で驚きのテクニック

学校の小屋の中には、ところせましと架けられた高級そうなフレームやホイールが。レース用のカーボン製だけでなく、アンティークのスチールフレームも飾られていてテンションが上がる。

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また、堂城先生の現役時代の写真など。

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早めに到着された生徒さんですでにトークが始まっていたが、どうやら9名の参加者中、初参加は自分一人だった。中には4回も来られていてロードからMTBまで幅を広げた方や、バイクを預けて通っている方もおられた。

最初の1.5時間くらいは小屋の中で座学。本で読んだ「おじぎ乗り」はもうみんなマスターしていて、先生が追及している最新技術やテクニックが披露された。ある簡単なテクニックでパフォーマンスが驚くほど向上する裏技を見せてもらったが、これは企業秘密にあたりそうなので伏せておこう。

自分も床に寝て膝の柔軟性などチェックしてもらったが、どうにも力んでしまってスムーズに回せなかった。堂城先生によると、腹筋を鍛えるにしても寝たまま足を上げるレッグレイズたヒップレイズは自転車に乗る上では逆効果らしい。目からうろこの知識だが、バキバキに割れた腹筋より、普段は柔らかくて骨盤前傾すると自然と力が入る腹筋が理想のようなのだ。

あくまで筋肉を「脱力」するのがポイントなのだが、自己流トレーニングで見についてしまった力む癖は容易に抜けそうがない。先日の大田原マラソン後にストレッチを受けたときも、太もも裏の力が抜けなくて筋肉が固すぎるといわれた。

メリダのカーボンMTBで丸太を超える

次に、各自のバイクに乗ってトレイルに繰り出す。お借りしたメリダのMTBはBIG.NINEという機種で、サドル下に価格がぶら下がっていて20万くらいするものだった。MTBもカーボン製となると、やはり高価なようだ。

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MTBについてはレンタサイクルで借りたくらいしか経験がなく、ほぼ初心者。しかし、昨年石垣島一周で乗ったMTBは話題の29erというサイズだったので、アルミ製でもロードと変わらないくらいスピードが出て、トータル130km平地も山も快適に走れた。

今回の沖縄旅行で、最南端・最西端の離島をめぐる以外、特に予定...

最初に乗って驚いたのは、ディスクブレーキが効きすぎるので人差し指でブレーキレバーを握るようだ。悪路をゆっくりこなせるよう、低い方のギアは相当低速で走れるようになっていて、上級者はその場で止まったりウイリーできたりするらしい。

それは筋力の問題というより、低速でも倒れないバランス感覚、堂城先生の言葉で言うと「両足荷重」が要のようだ。片足だけ体重をかけて踏み抜くようなペダリングだと、後ろ足の荷重を抜けないし、路面の障害物に乗り上げたときにたやすく転倒してしまう。ロードバイクでそこまで低速走行することはなく慣性で進めそうだが、要求されるバイクコントロールの技術はMTBの方が上だと感じた。

朝から氷点下の気温で手袋もシューズカバーも二重にしてみっちり着込んできたが、足先の冷えがつらくて最初は練習どころではなかった。血流が悪いのは筋肉が固いせいだともいえそうだが、冷え性の人は冬の練習には靴下に貼るタイプのカイロを忍ばせた方がよいだろう。

いくつか斜面を超えたり、MTBで丸太を乗り越える練習。丸太については前輪を浮かせるときは少し後方に体重をずらすなど、意外とテクニックがいる。頭で考えすぎるとこんがらがるので、何度も練習して体に覚え込ませるしかないだろう。こけない秘訣としていは、常にペダルをくるくる回してどちらの足にも体重が偏らない状態にしておくことだと思った。

昼食後は公園の砂場で荷重移動の特訓

昼食は近くのレストラン鈴音へ。ボリュームのある唐揚げ定食をいただけて、食事の面でも安曇野観光できるように配慮してくださっているのがありがたい。食事中も生徒さんはみな勉強熱心で、先生を質問攻めだった。

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午後は坂を上がって山の方に行き、秘密の練習場へ。といっても普通の公園なのだが、誰もいない砂場や、MTBにちょうどいいバンクや段差があったりする。砂場を低速でぐるぐる回る、ペダルを回さず荷重移動だけでバンクを乗り越える練習など、何度か挑戦していい線までは行ったが結局クリアできなかった。

この点、堂城先生の見本はまったく不安定な感じがなくて、同じ人間とは思えなかった。サイズが合わない、ほかの生徒さんのバイクでも再現されていたので、バイクの性能差でないのも明らかだ。

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その後、林の中のトレイルを走り、いくつかの坂道や難所でフォームをチェックしながら丸太の広場に戻った。ぱらぱら雪がちらついてきたと思ったら、あっという間につもり始め、学校に戻って解散することには積雪3cmくらい。

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先生のキャンピングカーで有明駅まで送っていただき電車に乗ったが、塩尻の信号トラブルで松本駅に鈍行も特急も30分足止めされ、岐阜に戻ったのは深夜になってしまった。

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パーツを買うより有意義な投資

堂城先生は「本で読むより実感するのが大事だ」と力説しておられた。著作でもエッセンスはわかる気がするが、走行中の自分のフォームを客観的に見てもらって、「今のはよかった」と言ってもらえるだけでもコツをつかみやすいと思う。

『自転車の教科書』の続編も出ているようなので、読んでみたい。

東京から長野まで遠いが、乗鞍や美ケ原のレースで松本周辺に来られるサイクリストは多いだろう。MTBのレンタル代と受講料を合わせて1万円、ロードバイクにとってはちょっとしたパーツ代くらいだ。余裕があればぜひ「やまめの学校」に参加させてもらうと根本的なフォームの改良、パフォーマンスアップにつながると思う。

ロードにも役立つMTB講座

自分のようにロード乗りもあえてMTBに挑戦してみるというのもありだ。丸太やバンクをこなせる、というような課題が明確で、上達がわかりやすいのが励みになった。体の使い方もロードとだいぶ違うので、エアロポジションで凝り固まったトライアスリートのストレッチ用にもMTBはいいかもしれない。

家で練習できるよう、29erがもう一台欲しい気もするが、冷静に考えて東京で自由に走れるトレイルが少ないのは残念だ。荒川・多摩川の河川敷も厳しそうだし、奥多摩の林道はハイカーやトレイルランナーが多そうだ。その点、安曇野はちょっとした裏手の林が絶好の練習コースとして整備されているので、MTBでもトレランでも、すごく気持ちよく走れそうだった。MTBを存分に楽しむなら、先に住むところから考えるべきか…。

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