チューブレスタイヤのビードが上がらず諦めてチューブを入れた

温水峠の帰りでパンクしたタイヤの修理に意外とてこずった。パンク個所が一見わからなかったので、出張先で本格的な修理用具を持ってこなかったので、アマゾンからの取り寄せに時間がかかった。

チューブレス対応のNOVATEC JETFLYを買ってから約3年、使用中のチューブレスタイヤは3代目。毎回パンク修理や前後輪ローテーションの度に苦労してビードを上げてきたが、今回は丸1日かけてうまくいかず、とうとう諦めて普通にチューブを入れてしまった。以下はチューブレスタイヤに挫折して、クリンチャーに戻した過程の記録である。

IRCのX-Guardは8ヶ月間3,900km走行してトラブルなし

今年3月に交換したIRC、X-Guardのチューブレスタイヤ。旧モデルだが耐パンク性能は最高で、新品装着から温水峠のパンクまで8か月間3,900km走ってノートラブルだった。

ロードバイクのタイヤを交換した。IRC Formula PR...

宮古島トライアスロンのバイクパートで遭遇したスコールなど、何度か雨天走行も行ったが、一度もパンクはなかった。もしかすると微細な穴はシーラントが知らない間に埋めてくれていたのかもしれないが、タイヤ表面を確認しても目立った傷は見当たらない。

温水峠で空気が抜けた際は、いつものようにパンク穴からシーラントが派手に噴出することはなかった。タイヤ表面を見まわして、それらしき傷も見つからなかったので、とりあえず残り10km歩いて帰って後で原因を調べようと思った。

国道157号を検索すると「酷道!落ちたら死ぬ!」と何やら不穏...

今考えれば、予備のチューブを入れて自走で帰って来られたはずだが、寒さで考えるのが面倒になっていたようだ。固いチューブレスタイヤをレバーで外して、チューブを入れてまたはめ直すのが、気温0度近く日の暮れかかる山道では非常に億劫に思われたのだ。後述のように、チューブレスタイヤの交換に心理的抵抗があり、ましてやひと気のない岐阜の山奥では取り組みたくなかった。

パンク原因不明。シーラントが漏れる個所を特定できない

空気が抜けた後輪を調べると、ビードは落ちていないようなので、ハンドポンプで空気を入れてみるがまったく手ごたえがない。空気が漏れていそうな穴も見つからなかった。とすると、バルブまわりの隙間か、もしかするとリムテープが劣化して内部のリム穴から漏れている可能性もある。

試しにシーラントを少し入れて、どこから漏れるか調べてみようと思ったが、バルブコアを外す工具(黒くてかまぼこ状の穴が開いているアレ)を持ってきていなかった。バルブのネジ穴を傷めないか心配だったが、借り物のラジオペンチで回して外せた。

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外したバルブコアを見る限り、汚れてはいるが特に問題なさそうだ。

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バルブから少量のシーラントを流し込んで空気を入れてみるが、タイヤの脇から一様にぶすぶす漏れるだけで、いまいち原因が特定できない。

タイヤを外してみてサイドカットされた穴を発見

ちょうど後輪ばかりトレッドがすり減っているのが気になっていたので、この機会に一度タイヤを外して、前輪・後輪のローテーションをしようと思った。

久々に両輪のタイヤを外したが、枯渇したシーラントがタイヤの内側にびっしりこびりついていた。固形分は固まって水と分離していて、わずかに湿り気はあったが、これでは穴が開いても塞ぐ機能はもうないだろうと思った。

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毎回面倒だが、タイヤにこびりついたシーラントの残骸を雑巾で丁寧にこすり落としていく。サンダーでやすりがけしたい気分だが、ブチルゴムのエアーシール層を傷めそうなので、素手で根気よくこするしかない。

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タイヤ2本分、30分くらいかかってある程度きれいになった。まだ少し乾いたシーラントが残っているが、このくらいでよしとする。大きな残りかすがないか内側を点検していたら、かなり端に近いサイド部分に切れている箇所を発見した。

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これがパンクの原因だったのではと思われる。ほとんどビードに近い位置で、水平に切れていたので目視ではまったく気づかなかった。空気漏れテストしたシーラントも、この穴を伝ってリムに流れてきたのかもしれない。さすがのX-Guardも、リムぎりぎりの真横からの攻撃には負けたのだろう。

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マルニのパンク修理キットでパッチ処理

取り寄せたマルニのパンク修理キットで処置を試みる。パッチの類も自宅に置いてきてしまったので、とりあえずパッチもセメントも紙やすりも全部入りのキットを購入した。ウェブで調べた限りは、チューブレスタイヤに使っても問題なさそうだ。

ロードバイクのパンク修理に必要な道具は一通り入っている。特にチューブレスタイヤだと、セメントなしのイージーパッチでは不安がある。

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説明書通り、付属のエコ・セメントを塗って5分放置。

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完全に乾いてからパッチを貼って、タイヤレバーでこすって圧着差せる。

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側面からはみ出た部分は適当にカッターで切っておいた。パッチの透明シールをはがすと、いい感じでタイヤと密着して穴も塞がれたようである。

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どうしてもビードが上がらずリムテープ交換も必要か?

前後輪のタイヤを見比べると、前輪はトレッド中央の線がまだ残っているが、後輪は凹型に大きく削れている。ただ、ディンプルの穴はまだ見えているので、走行距離3,000km超とはいえX-Guardはまだもう少し使えそうだ。

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左が後輪、右が前輪

タイヤのはめ直しは、台所用の洗剤を濃い目に溶いたものを塗布してから空気を入れる。リムとの境い目から盛大に泡が出るのは、チューブレスタイヤの交換で見慣れた光景だ。

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その後、バルブからシーラントを注入して高速ポンピングするが、いつものような手ごたえがない。うまくいけばシーラントが隙間を埋めてビードも上がってくれるはずだが…。

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試しに買ってみたACORのAMP-21301ミニフロアポンプAS3では、ビードを上げるにはさすがに非力だったのだろうか。

出張先にロードバイクを持って来たのだが、空気入れをうっかり忘...

知人に借りたママチャリ用ポンプにフレンチバルブ用アダプターを装着して空気を入れてみるが、それでもビードが上がらない。

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こうなると経験上、リムテープの交換も必要と思われる。タイヤの内圧でNoTubesの黄色いリムテープがリムの穴部分で凹んでしまい、そこから空気が漏れるのだ。

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JETFLYは安くて軽くてありがたいホイールだが、なぜかリムの穴が左右に寄っている箇所があり、ここでリムテープが凹むとタイヤとリムの間に空気の通り道ができてしまい、絶対にビードが上がらない。

チューブレスタイヤのメンテナンスコスト

一度タイヤを外して、せっかく注入したシーラントを拭ってリムテープをはがして貼り直して…、といつもの手順を思い浮かべたが、気になるのはリムテープとシーラントの交換コストだ。

アマゾンで取り寄せたNoTubesの2製品、ほかに競合製品がないからか、合わせて2,640円もした。シーラントは以前、大容量のボトルを買ったが、肝心な時に自宅にあって使えない。代わりに買った2オンスの一番小さなサイズで740円、前後輪ビード上げに失敗してやり直すと1本分パーになる。またアマゾンに注文するのも癪だ。

黄色いリムテープも10ヤード9.14mで前後輪2周すれば終わる。1年に2回くらい、リムテープ交換の度に1,900円もする黄色いテープを買うのは馬鹿らしい。

普通の空気入れでは圧力が足りないのか、AIRSHOTのようなコンプレッサー的アイテムも出ているが、価格は1万円以上する。どうせ買ってもわざわざ旅先に持ち運ばず、いざというときに使えないパターンが容易に想像される。

巷ではディスクブレーキとかカーボンクリンチャーとか新商品がどんどん出てくるが、チューブレスタイヤも差別化の一要素で、関連ツールや消耗品をどんどん買わされ、メーカー側の策略にまんまと乗せられているような気がしてきた。

チューブレスタイヤの交換にかかる時間的コスト

費用面より気になるのが、チューブレスタイヤの交換にかかる時間のコストだ。毎回作業の度にビードを上げる試行錯誤で数時間かかり、予定通り走りに行けないことが度々あった。

週末ライダーとしては、貴重な休日に自転車のメンテナンスで時間を費やすよりは、とっとと外に走りに行きたい。別にメカニックやパーツ評論家になりたいわけでもないので、いろんな製品を試してレビューしたいというモチベーションもない。

チューブレスに変えて確かにツーリング中のパンクは減ったが、年に2回くらいトラブルやタイヤ交換で再セットするときに、クリンチャーのパンク修理以上の時間がかかっている気がする。

走行中のパンク穴がシーラントで埋まったとしても、ぎりぎりビードが落ちないふにゃふにゃ状態で自走して帰ってくるのも不安である。タイヤの中に奇妙な液体が入っているのは不気味だし、タイヤを外すたびにこれを拭き取るのも一苦労だ。

そもそもJETFLYのリムに穴がなくてリムテープを貼る必要がなければ、ここまでの苦労はなかったのかもしれない。チューブレスレディをうたうホイールなら、せめてリムの穴はなしにしてほしい。しかも偏心していてリムテープが凹んだ穴から空気が漏れるとか、欠陥品でないかと思う。

遂にチューブレスを諦めクリンチャーに回帰

毎回タイヤ交換の度にうんざりする経験をしているが、今回はとうとう匙を投げた。単に自分が無精で不器用なだけかもしれないが、しばらく普通にチューブを入れてクリンチャーとして使おうと決心した。

予備で持っていたBONTRAGERの安いチューブ。いかにも厚くて重そうだが、3年間サドルバッグに入れっぱなしにしていたわりには傷んでなさそうだ。

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バルブ長も50mm以上あるので、リムハイト32mmのJETFLYに問題なく適合する。

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久々のチューブ装着でやり方を忘れてしまったが、ネットで手順を確認して、片方のビードをはめて、チューブを入れてからもう一方のビードを上げる。以前は素手でできるくらい練習したものだが、さすがにX-Guardは固くてタイヤレバーのお世話になった。

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ACOR、AS3のポンプでビードは上がらなかったが、普通のチューブであれば難なく100Psiまで上げられた。さすがに最後の方は全体重をかけてじっくり入れるくらい抵抗があったが、このコンパクトサイズで空気圧ゲージもついていてなかなか優れものだ。

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チューブレス仕様では6気圧くらいで乗っていたがタイヤだが、一応800kPa/115PSIまで対応と書いてあるので、このくらいの空気圧なら全然大丈夫だろう。もう1本チューブを買って来てしばらくはクリンチャー仕様で乗ってみようと思う。

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次はツーキニストのような超頑丈タイヤに替えたい

買物・街乗り用のもう1台の自転車で、タイヤをパナレーサーのツーキニスト、チューブも肉厚のものに変えたら、一切パンクせず空気漏れも皆無になった。

ロードバイクに5年乗ってきて自分の使い方を振り返ると、タイやまわりに関してはレース用に軽量化を図るより、どれだけ重くても耐パンク性能とメンテ回数を減らせることを優先した方がよいと考え方が変わってきた。ウェアやヘルメットも汚れが目立たない黒で揃えてきたが、夜間の視認性重視で最近は明るい色を選ぶようになってきた。

見た目のかっこよさや、ちょっとしたタイム向上よりも、とにかく日常用途では安全性優先で、決戦用の軽量装備はそれに見合う実力がついてからでよいと思う。

ホイールをJETFLYに交換して、RFX-8完成車に付いていたWH-R500より走りが軽くなったと感じたが、チューブレスタイヤに替えたのも同時だったので、クリンチャーとの違いなのかホイールの性能なのかがわからなかった。

しばらくIRCにチューブを入れて走ってみて、乗り心地を比較してみようと思う。思いX-Guardに厚めのブチルチューブを入れた状態で、チューブレスレディなホイールがまったく無意味な状態だが、これで何も変わらなかったら自分は相当鈍感だということだろう。

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