国道299号下り(秩父~茅野)

自転車仲間(酷道マニア)のY君が、しきりにすすめてくる国道299号。いつか走破してみたいとは思いつつも、ほぼ山の中を無補給で突っ走る過酷なロングコースで、日帰りは不可能。しかもゴールに向けて、だんだんきつくなる4つの峠が連続し、最後の麦草峠は標高2,127mと渋峠に次いで国道2番目の高さ。果たして茅野まで辿りつけるかどうかも不安だったが、蓼科に宿を予約して1泊2日で往復してきた。

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標高図の分析

振り返って標高図を見ると、見事に4つの峠がピークを描いている。先に進むほど高度差も標高も順に高くなり、ランニングでいうビルドアップ走のようなトレーニングができる。Stravaの獲得高度は相変わらず誤差が多くて2倍くらいになっている気がするが、最大高度はほぼ正確に思われる。

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山伏峠~秩父

本来299号を完走するなら、始点の入間市から出発しなければならないが、市街地から正丸トンネルまでの区間は車も多いので、青梅から山の中をショートカット。名栗湖付近の県道53号沿いに山伏峠を越えて、正丸峠はスキップして299号に合流。そこから先は秩父まで下りなので、狭い路肩で車と並走しても不安が少ない。

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秩父に入る前に道の駅「果樹公園あしがくぼ」があり、秩父駅周辺もコンビニが充実している。今回はボトル2本をフレームに差し、バックパックのハイドレーションにも2リットル水を入れてきたので、合計4リットル。アクエリアスの粉を薄めに溶かしながら補給したが、坂を上り始めると汗が滝のように流れて、それでも足りなかった。途中で買ったペットボトルを含めると、1日で6リットルくらい水分補給したように思う。

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小鹿野町~志賀坂峠

夏真っ盛りで週末は快晴。天気は最高だが、昼前に秩父盆地に入ると恐ろしく気温が上がってきた。少し山を越えて小鹿野(おがの)町に入ると、木陰一つない灼熱の直線道路に差し掛かった。

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数年前、同じ時期に国道20号を塩尻までロードバイクで走ったが、記録的な猛暑で甲府では38度くらいあった。当時は甲州街道の直線区間を走りながら、脳が煮えるような危険を感じたが、今日もそれに近い。暑さで1.5倍増しくらいで体力を削られる気がする。途中、八王子の巨大変電所のような、新秩父開閉所が見えた。

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山に入ってつづら折りを登り始めると、ようやく木陰が増えてきた。標高780mでまだ2番目の峠だが、秩父から30kmくらいのデスロードを走った後で、体がきつい。汗まみれで悶絶しながら志賀坂峠に到着。

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上野村~十石峠

志賀坂峠のトンネルを超えると、恐竜王国中里の看板を発見。

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昭和60年に日本で初めて恐竜の足跡が発見されたそうで、化石発掘体験など、意外と家族連れで賑わっていた。福井県の勝山も恐竜王国を名乗っているが、群馬の中里とライバルか。後ほど通過した神流町恐竜センターの前には、恐竜の模型も3体あり賑やか。

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県道462号と合流するT字路を左折。やっと集落が見えてきた。

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神流町の庁舎や旅館を過ぎて、しばらく進むと道の駅「上野」に到着。ここから十石峠までが299号の最難関区間と聞いているので、たっぷり補給しておかなければならない。

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道の駅で標高500mはあるはずだが、気温表示は35度。峠から下りると、ムッとした空気に包まれ、日なたではじっといていられないほど暑い。

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準備万端で十石峠に向かうと、数キロ先に「川の駅上野(上野村ふれあい館)」というのがあった。村営の観光施設のようだが、設備的には道の駅上野よりこちらの方が充実している。

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県道124号との分岐を過ぎると、いよいよ十石峠への上りが始まる。ここから先、道幅が極端に狭くなり、落石多数、路面も荒れまくりの酷道区間。ちょうど、ヤビツ峠の裏、宮ケ瀬湖方面のルートと近いような気がする。自転車にとっては、落石さえ気を付ければ交通量も少なく走りやすいはずが、すれ違うバイクと車が意外と多い。

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単調な山道で、時々勾配10%くらいの坂が出てくる。299号全体を通して、激坂というほどの坂はなかったが、その代わり峠へのアプローチが長い。初めて来た十石峠は、前後30kmくらい売店も自販機もない不安と、先が読めない心細さで、精神的にも体力的にもつらかった。

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すでに志賀坂峠で脚は売り切れた感じで、何度も心が折れて足を着きながら、ほうぼうの体で標高1,351mのピークに到着。

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途中の道すがらも山並みが絶景だったので、展望台はさぞかし眺めがよさそうだが、登る気力はなし。ここまで来ても気温は31度もある。

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佐久穂町~麦草峠

十石峠から長野側の下りに入ると、道がだいぶきれいになった。古谷ダムから佐久穂(さくほ)町は、ほぼ直線の下りで、エアロバーを握って高速巡行できるほど。なんとなく乗鞍岳から高崎方面に下った道を思い出す。あっという間に国道141号に合流し、コンビニで休憩。

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この時点で16時過ぎ。気持ち的には宿の予約がなければ八ヶ岳高原線で輪行して帰りたい気もするが、日没覚悟で最後の峠に挑む。清水町の交差点を右折して、299号メルヘン街道に突入。序盤から8%くらいの勾配が続き、滝のように流れる汗でハンドルをべたつかせながら、根性でペダルを回す。標高900mの標識があり、この先山頂まで100mごとに案内があった。

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しばらく上ると別荘地になり、高原らしい雰囲気になってきた。路肩に花も咲くメルヘン街道。

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時間が遅いからか車も観光バスも少なく、自転車で上る人も見ない。そういえば、299号全体を通して、ロードバイクですれ違った人は3人くらいしかいなかった。あまりに過酷で、日常の練習コースとしては不向きなのだろうか。

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八千穂高原のスキー場付近、1,600mを超えると、ようやく気温が25度くらいまで下がった気がした。日も陰って、かく汗も少なくなり、ずっと負担が軽くなる。白樺群生地に差し掛かり、山並みもなだらかで美しい。群馬で見てきたゴツゴツした岩山に比べるとリゾート感がある。疲れていなければ、きっと気持ちよいヒルクライムを楽しめたと思う。

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ここから先はもう観念して上るしかなく、100mごとの標高表示で足を休めながら、だらだら上り続ける。勾配が上限8%くらいで、ほぼ一定なのはせめてもの救いだ。白駒池入口の駐車場が見えて、やっと山頂に来たと思ったら、ここはまだゴールでなかった。

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麦草峠の標高を正確に調べていなかったのだが、さらに高度2,100mの案内板も超えて、どこまで続くのか不安に思ったところ、ようやくピークに到達。

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長かった299号の最後の峠。無事に到達できた感動で、映画『インターステラー』で救助されたマン博士のように、「グフッ」と声にならない嗚咽が漏れた。

麦草峠~蓼科高原

19時頃で、すでに日は沈んでいる。さすがに下りは寒いので上着を羽織り、明るいうちに少しでも山を下りようとダッシュ。

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みるみる暗くなってきたが、ライトは2本装備で路面もよいので支障はなかった。今日の予定では、茅野の市街地まで下らずに、蓼科高原のユースホステルに泊まることにしている。

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茅野の夜景を見ながら、別荘地をダウンヒルして、20時前に宿に到着。予定より2時間近く遅れてしまったが、遅めの夕食をとらせてもらい、風呂に入ってすぐに寝た。明日の299号上りは、標高的に下りより楽なはずだが、少しでも疲労は抜いておきたい。

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