キタタン試走(ショートコース)

来週の「キタタン」こと北丹沢12時間山岳耐久レースに向けて、ルートの一部を試走してみた。青根のスタート地点まではロードバイクで自走。

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日本三大山岳レースの一つ

富士登山競走のエントリーに失敗して、代わりに申し込んでみたキタタン。コース図や体験談を読むと、トレラン初心者にはとんでもなく過酷なレースではないかという気がしてきた。今年18回目の大会で、実は富士登山、ハセツネと並ぶ日本三大山岳レースの一つであるらしい。

何はともあれ走ってみるのが早いということで、梅雨時期にありがたく晴れた週末を使って、久々に丹沢に行ってみた。秦野に住んでいたころに、大山~塔ノ岳周辺の表丹沢はさんざん歩いたが、蛭ヶ岳より北の裏丹沢には足を踏み入れたことがない。

ロードバイクで青根のスタート地点へ

前日のブリックトレーニングの疲れか寝坊して9時起き、10時出発。まだ真夏ではないが、奥多摩に入っても気温27度の表示だったので、結構暑くて疲れる。トレランシューズを履いてきたので、上り坂で若干ペダルを回しにくく感じるが、いつも通り檜原村~甲武トンネルを抜けて上野原へ。その後20号線を藤野まで戻ったので、やや遠回りになったが、上野原にたくさんあるデイリーヤマザキの「デイリーホット」コーナーで、焼き立てパンを食べるのが楽しみだ。

相模湖を渡って、藤野はアート・ヴィレッジや芸術の家がある76号線を南下。以前、地元の方に連れて行ってもらった野山の食堂「藤平ピザ」は窯焼きピザがおいしい。アート・ヴィレッジの他のブースも見学できるので、グループでツーリングに来たらおすすめの休憩スポットだ。途中で「ぶるべの里」という看板を見つけたが、自転車関連ではなくブルーベリーの略らしい。

76号は東の牧馬峠(まきめとうげ)より広くて走りやすい。甲州街道から道志みちへの抜け道として便利なのか、結構車どおりが多い。藤野周辺にたまに化石のように残っている不動産の看板が気になる。「新宿まで1時間50分」という売り文句は、今となってはメリットなのかデメリットなのかわからない。

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藤野周辺には、かつて日本一だった長寿村「棡原(ゆずりはら)」も近く、自然の豊かさは申し分ない。その気になれば20号線か中央道、JRで東京にも出られるし、戦時中から疎開先として栄えて、芸術家もヒッピーもウェルカムな土地柄は、人気があるのかもしれない。

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県道76号は山の中を突っ切るが、峠というほどの坂はない。途中、小振りな道志ダムの上を抜けて目的地「緑の休暇村・青根キャンプ場」に到着。道志みちから川沿いに結構下がった位置にあるので、今まで寄ったことはなかった。キャンプ場を中心に、コテージや温泉もあるようで、オートキャンプやツーリングには便利な施設なようだ。

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グレゴリーのハイドレーションパックに異変が

トレラン装備を整え、青根キャンプ場を出発。新装備のグレゴリー、テンポ5のバックパックは、ハイドレーションリザーバーに入れた水をチューブから吸うと、口の中がピリピリして明らかにやばい味がした。開梱後に試してすぐ異変に気づき、今日も道すがらすすってみて解決しなかったので、なにかトレイルランナーが耐えなえればならない通過儀礼かとも思った。パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナードも、沼の泥水を飲んで胃を鍛えたというし…。

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幸いウォーターパックの水自体は汚染されていなくて、チューブを通ると味覚が変化することがわかった。そこで、自転車用のボトルで給水して、ウォーターパックから直接ボトルに水を補給することにした。高価なハイドレーションシステムが単なる「大きい水筒付きのリュック」と化してしまったわけだが、予備で持ってきた1リットルのレモンウォーターと合わせて、3.5リットルの水分があると思うと、未知のコースに挑むには安心感がある。

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また、丹沢といえばヒル。自分はまだ血を吸われたことはないが、秦野の温泉とかキャンプ場ではたいてい「知らぬ間にヤマビルにやられていた」と騒いでいるお客さんがいた。久々に出番がやってきたヤマビルファイターを念入りにシューズに塗布する。間違っても丹沢で遭難して、ヒルまみれで失血死なんて目には遭いたくない。油断すると鼻から侵入して寄生する蛭もいるらしい。

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キタタンコースの確認

レース参加に際して、『山と高原地図 高尾・陣馬』を買い足したのだが、コース付近の地図がどうも粗いと思ったら、なんと「国道413号より南は『丹沢』参照」との記載があった。たまたま丹沢の地図は以前「山と高原地図」Androidアプリで購入していたので、そちらを参照。登山中はなるべくスマホのバッテリーを温存したいのだが、仕方ない。

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コース図によると、まず平丸から近場の標高654mの山に登ることになっている。その山頂から西の沢に抜けるルートが「山と高原地図」には載っておらず、他にも鐘撞山や犬越路付近が不明瞭だ。今日は練習として、キャンプ場出発も14時と遅くなってしまったので、神ノ川ヒュッテの補給ポイントまでショートカットして、そこから終盤のきつそうな姫次までの登坂を試してみることにした。

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神ノ川ヒュッテを目指して舗装路を走る

キャンプ場から道志みちに出るまでが結構きつい登りで、暑さでだれてきて、ほとんど歩いてしまった。車どおりの多い413号は注意して走行し、音久和(おんぐわ)の分岐で林道に入ってから気合を入れて走り始めた。道志みちは何度か自転車で走ったことがあるが、神之川に向かう道路は行き止まりなので、この道を通るのは初めてだ。

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この先にある神之川キャンプ場に行く人がいるらしく、たまに車も通る。途中のマス釣り場はぼちぼち賑わっていて、途中に小さい滝も見られた。

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トンネルを抜けて徐々に山深くなっていく。目の前にそびえる山は大室山か、こんな高低差をレースで何度も上り下りすると思うと身がすくむ。

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すれ違うトレイルランナーが1人、他に出会ったのもソロの登山客2名くらいで、天気のよい日曜としては閑散としているように思えた。神ノ川ヒュッテは登山目的か、車が数台止まっていたが人気はなかった。トイレで休憩して袖平山の急勾配を目指す。

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風巻ノ頭~袖平山の激坂

自転車のヒルクライムで「激坂」というネタ話があるが、自分の登山体験でここまでの急勾配は初めての体験だったかもしれない。標高は低いが、軽く富士山を登るくらいの負荷を感じた。

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「東海自然歩道」というコースらしく、寂れているわりには意外と道が整えられている。きつい勾配でも石段や砂袋が敷いてあってかなり親切。ガレキが多く坂は急だが、手を使って登るほどではない。

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見上げる限りの激坂。走るのは到底無理で、なるべく早歩きで上ろうとするが、一息つけるような場所もなく、エンドレスに2kmくらいひたすら坂を登る。普通ならピークに達して見晴らしがよくなりそうなところまで登っても、また次の坂が控えている。

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顔面から汗が滝のように流れて、一足ごとに滴り落ちる。「コーヒー3杯分はドリップできるだろうな」とか考えながら、やっと「風巻ノ頭」の小屋にたどり着いた。苦労して背負ってきた水をがぶ飲みして休憩。

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案内板によると、この道は4kmで900mの標高差。「丹沢山塊、屈指の急登」らしい。普通の日帰り登山なら「いやー、今日はがんばったな」と満足できる疲労感だが、まだここは中間地点に過ぎない。

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そこから先は標高が上がって涼しくなったのか、やや緩急もあって楽だった気がする。途中いくつか岩場もあるが、路面も安定していて走れるところもあった。時々見晴らしがよい場所があって、見渡す限り山しかない絶景を拝めた。

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袖平山(1,432m)に到達してベンチで休む。南側に蛭ヶ岳とおぼしき山頂と山小屋が見える。昔、ヤビツ峠を過ぎた塩水橋に車を止めて、蛭ヶ岳までピストン登山したことがある。丹沢の中心部で、すごいところに来たと思ったが、今なら裏の道志みちからでも日帰りで登れそうな気がする。

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休んでいると小さいアブのような羽虫が盛んに噛みついてくるので、休憩もそこそこ、次の分岐点、姫次に向けて出発した。このあたりは道もよくて眺望も楽しめるのだが、まったく人気がない。もう17時過ぎで、下山のスケジュールを考えると遅い時間だからかもしれない。

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姫次~平丸分岐は快適なトレイル

袖平山からはやや下り気味のルートで、ようやくトレランらしく走れた。ほどなく到着した姫次は、北に行けば焼山経由で道志みち、南に行けば蛭ヶ岳。メジャーな分岐路らしく、広場とベンチが整備されていた。

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標高図によれば、ここから先は長い下り。あとは制限時間内にゴールできるくらいのペースで流せばよい、という感じだろうか。路面の悪いところは、木の階段が敷いてある。下り始めると、東の方向に宮ケ瀬湖を超えて関東平野を見渡せた。

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時々夕日の差し込む登山道は、これまでのハードな登りの報酬とばかりに、走りやすいルートだった。トレランと行っても、上りはほとんど歩いている気もするが、平地~下りの山道を走るのは、アスファルトのロードを走るより断然気持ちが良い。トレランは、リフトで山頂に上がってから滑走を楽しむスキーやハンググライダーのようなスポーツなのかもしれない。

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途中、鬱蒼とした林で「ヒルに注意」の看板を見かけるが、始終動き回っていたからか、今回もヒルには遭遇せずに戻ってくることができた。

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あるいはヤマビルファイターが強力で、一定半径以内にヒルを近づけない効果があるのかもしれない。丹沢に行く以外にまったく用途がなく、買って3年経っても全然減らないのだが、このエリアの必須装備であることは間違いない。

平丸分岐~青根キャンプ場、最後の下りは油断禁物

平丸分岐からは、ぐっと道が狭くなって走りづらくなるが、ところどころにレースの案内板が貼ってあり、迷うことはなさそうだ。路面の出っ張った根っこ2か所くらいに、目印のビニールひもが結んであって注意喚起している。レース本番でここに来る頃には、もうへろへろで、ゴール間際で気も緩むだろうから、狭い下りで転倒事故も起きそうだ。

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分岐後はペースが落ちるので、看板に「ラストスパート」と書いてあっても、道志みちに出るまで結構長く感じた。往路・復路で分岐する場所は確認はできた。

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道志みちから集落を抜け「キャンプ場への近道」というルートへ。河原らしく、ぬかるんだ石がゴロゴロしていて、今日一番の難コースだったかもしれない。レースでも通る道なようなので、最後に油断して転んだりしないように気を付けたい。

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出発地点のキャンプ場に戻ってゴール。トイレは充実していて、顔を洗える洗面台もあり助かる。

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津久井湖~橋本~八王子バイパス経由で帰宅

さすが夏至らしく19時過ぎても明るい。山道でも、ぎりぎりライトがいらないくらいで戻って来られた。ロードバイクに乗って、帰りは安全に道志みちを下り、津久井湖から橋本に出て、前回探索した八王子バイパス経由で帰宅した。

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走ったあとにペダルを回すのは爽快で、筋肉がほぐれる気がする。ゆるい下りが続くこともあって、40km/hくらいで相当飛ばして津久井湖に到達。八王子バイパスも、車道は自転車進入禁止だが、人気のない歩道は走りやすく、数か所ある進入禁止の陸橋やアンダーパスを迂回しても、西の16号より格段に快適に拝島橋に到達できる。

終わってみると、膝が笑い死にしそうなくらい疲れていることに気づいた。このクラスの上り下りをあと2回繰り返すとなると、レース本番では相当しんどいことになりそうだ。あと1週間でそれほど鍛えられるものではないが、コンディションは万全でのぞみたい。

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